ベトナム人材と企業を結ぶ 今年度から、中小企業向けにベトナム人材の紹介を始めた。昨年5月から12月にかけて面接会を5回開き、全国の24社に68人が内定。香川とベトナムで展開する鉄工会社グループを率い、来日を望むベトナム人の受け入れを支援する法人も立ち上げた。 善通寺市で鉄工所を営んでいた父親の手伝いを経て、2009年に独立。不景気のさなか、事業を縮小しながらも一人で階段や手すりの図面を書き続け、再起のときをうかがった。 13年に多度津町の工場を買い、「徳」を入れた「トクシンテクノ」に社名を改めた。とはいえ、社員は3人だけ。「国外に技術を磨きたい若者がいるなら」と、実習生を受け入れたのが海外と関わる契機になった。「親日的で真面目」とベトナム人にこだわってきた。今では、グループ全体80人のうち約50人がベトナム人だ。 企業への採用が決まった学生には、金銭的な負担はかけない。ベトナムの日本語学校での教育、渡航などにかかる全ての費用は、入社先が出す仕組みだ。 建設会社やIT企業、造船会社などが参加した現地の面接会には、大学の協力で延べ1500人以上が応募。自身も数百人のベトナム人学生と話したが、「正直、自社で欲しい人材も多い」と笑う。 紹介する人材を日本で学ぶ留学生に広げようと、仲介するサイトを開発中だ。「将来は、ベトナム以外の国にもビジネスを展開したい」