11月下旬は秋から冬にかけての季節の変わり目にあたります。秋がそろそろ終わりに近づいて来て日ごとに寒さが増してまいります。季節の変わり目の頃の天気はおそらく一年で最も記憶に残る時期です。これもハノイの一番過ごしやすくて美しい時期と言われています。この時期、太陽の日差しは優しくなりますから。その後に来る長くて寒い冬です。ハノイのこの時期を一度過ごした経験があるならば、だれもが忘れることができません。

私にとって、ハノイのこの時期も大好きです。私が最も好きな花である（ベトナム語：Cúc Họa Mi、クック・ホア・ミ、Daisy）ホア・ミ菊の季節ですから。ホア・ミ菊は冬の始まりに咲いて純潔や清楚の象徴な花です。ホア・ミ菊の季節がやって来るたびに、ハノイは新しいシャツを着るようです。花の売り子は真っ白な花をかごいっぱいに積んで、街中を走り回ります。この花を見るたびに「ハノイって素晴らしいな！」と思います。

ホア・ミ菊は、花が小さい茶碗のような形をしています。花びらは白くて細長く、花の芯は明るい黄色です。よい香りがします。モンスーンのそよ風が現れたとき、冬がハノイに訪れるのを告げるホア・ミ菊が咲き出します。ホア・ミ菊の季節は11月下旬から2~3週間ぐらいで、とても短いです。年に1回しかないので、ハノイの人々はこの花の季節を楽しみにしています。

この期間、多くの人たちがホア・ミ菊の花束を買い、家に飾ったり写真を撮ったりします。ホア・ミ菊を見ることで仕事のストレスや忙しい生活に疲れを癒すことができます。私もこの花の季節になると、週2回、ミ菊の花束を買いて部屋と会社のオフィスに置きます。毎日花を見て楽しんでいます。

そして、ホア・ミ菊を栽培している畑へ行って、アオザイを着て記念撮影する人も少なくありません。これらの花を育てる場所は、ニャッタンフラワーガーデン(vườn hoa Nhật Tân)、ソンホンロックビーチ(bãi đá Sông Hồng)、タイトゥフラワービレッジ(làng hoa Tây Tựu)、クアンアンフラワーフィールド(cánh đồng hoa Quảng An)です。最も有名なのは、満開のホア・ミ菊の巨大な白い色のニャッタンフラワーガーデンです。 これらも最も多くの訪問者を受け入れる場所です。こういった季節の花畑にはたいていアオザイのレンタルとカメラマンがいて、その場でレンタル予約をし、撮影に臨むことができます。

ホア・ミ菊以外にも、この時期は揚げいも・揚げバナナ（Bánh khoai lang nướng, chuối chiên）、バインゾー ( Bánh giò )、ハマグリのレモングラス蒸し ( Nghêu hấp xả ớt )、ミーバンタン（Mỳ vằn thắn）、ブンチャーチャン（Bún Chả Chan）などハノイの美味しい食べ物を楽しむためにハノイ市の周りを散策するのも好きです。皆とおしゃべりしながらそんなに温かいものを食べると、本当に美味しいですね。そんなことを考えると、歩道で焼きさつまいも屋のイメージが頭に浮かびます。すぐに食べたいです。

みなさんも、この時期のハノイに来たらぜひ、ホア・ミ菊と食べ物を楽しんでくださいね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　トクシンベトナムのタオです。