ご要望に「イエス」と応え続けた

2010年、久しぶりの仕事らしい仕事は小林鉄工所時代のお客様からだった。

当時小林のもとにはまだ従業員はいない。受けた仕事を自社で賄える設備もない。
製造は他社に頼むしかなく、製品をトラックで運ぶ仕事。

それを承知で仕事を発注してくれたのは、ただ小林を信頼してのことだった。

胸が震えた。
こんな自分を信頼し、仕事を発注してくれる気持ちが嬉しかった。

そうして、お客様のためにどんな事でも応えよう。
依頼があったらまずイエスと応えようという想いが生まれた。

より多くのご要望にイエスと答えるためにどうすればよいのか? そればかりを考えがむしゃらに働いた。

お客様のご要望に応えることで受注は増えていった。

プレハブでの営業を半年ほど続けた小林は、約100坪の倉庫を借り、溶接機を1台だけいれた。
やっとモノづくりの基盤ができた。

次第に社長一人での営業が難しくなり、従業員を一人雇った。
事業は少しずつ上を向きはじめていた。


建設業界の依頼を受けていた小林だが、内容は不思議と階段、手摺の割合が多くなっていく。

そして、2011年には更に約200坪の工場へ移転。
現在の工場を買取り、移転した2012年には従業員も13名まで増えていた。

社会の役に立つ仕事をする徳の高い人材が集まり、北極星のように業界の目印になるようにと「株式会社トクシンテクノ」と社名も改めた。

建設業界の依頼を受け、お客様のご要望に真摯に応えた続けた結果、不思議と階段、手摺の受注割合が多くなっていく。
そこで、鉄製階段・手摺の製造を自社生産できるようにした。
他社で断られるような短納期の注文も進んで受注した。手を抜かず、他よりもいいモノを、喜んでもらえる製品をという想いで作り続けた。

すると、口コミが広がり、お客様先、仕事量が一気に増加した。
2013年の売上は2億4000万円。なんと前年売上の倍になっていたのだ。


「お客様からのご依頼は、赤字にならない限りできるだけご要望にお応えしています。
最も多いご要望は【短納期】の発注です。ですから、当社には納期にゆとりのある注文はまず来ませんね。
短納期でいかにお客様に満足していただける高品質な製品を納品できるかが勝負です。
他社が断るような仕事を一生懸命こなすからこそ、我々の価値があると思います。」
と小林は語る。

「短納期・高品質」というスタイルで多くの仕事をいただいている現在。
更に多くのご要望に応えるためにトクシンは常に進化続けている。