高松の道を走っていると腹の虫が主張を始めた。
何か食べるか。うどん…いや、もう胃が「うどんは結構です」と言っている。

なぜだか妙に惹かれる「ところてん」の文字が。

細い道を抜け、たどり着いた先にあったのは、池を囲むようにひっそりと佇む、

なんとも風流な店構えだ。これは…入ってみる価値がある。

メニューを見るとさっぱり系から甘い系まで種類豊富のようだ。

これは悩む…だが、ここはやはり基本中の基本から攻めるべきだろう。

「すみません、からし酢醤油、お願いします」

ここは注文を受けてから麺状に加工しているようだ。期待大!

そして運ばれてきた、透明感を放つところてん。見た目からして涼やかで美味しそう。

つるっとした食感でのど越しが良く、すっと喉の奥へと消えていく。

そして、後から追いかけてくる辛子醤油の、さっぱりとした風味。これはいい。

卓上には、醤油と酢の瓶が置いてあり、自分で味を調節することが出来る。
美味くて、しかも低カロリー。こんな罪悪感のない幸せが、この世に存在したとは。

池で優雅に泳ぐ鯉を眺めながら、ただひたすらにところてんをすする。

この落ち着いた雰囲気。これこそが幸せな時間ではないだろうか。

この空間でこのところてんを味わうからこそ、この美味しさが引き出されるのだろう。

予期せぬ場所で、とんでもない掘り出し物に出会ってしまった。 だから店探しは面白い。

さあ、次はどこへ行こうか。

「八十八名物ところてん清水屋」
香川県坂出市西庄町759-1