2018.02.16
四国新聞掲載のニュース
ベトナム人の大卒者正規雇用 トクシンテクノ(多度 津)グループ
鉄製階段の設計・製造のトクシンテクノ(多度津町)の企業グループが、ベトナム人の大学新卒者の採用を本格化している。正社員として日本の大卒者と同じ給与水準で雇用し、エンジニアなどとして長期にわたって活躍してもらう狙い。ベトナムの有名大学と協定を締結するほか、県内外の中小企業と合同面接会を行うなど、親目的で勤勉な人材の安定雇用を目指す。
人材確保、エンジニア育成へ
同社によると、日本の新卒は売り手市場で、都会・大手志向も強い。そこで、採用難を抱える地方の中小企業が手を組み、将来を担う人材の発掘をベトナムでも進めることにした。
香川労働局によると、昨年10月時点の県内の外国人労働者数は7825人で、過去最多を更新。国籍別にみると、ベトナムが前年同期比46.4%増の1768人と、中国(2904人)に次いで2番目だ。
ただ、技能実習が4654人と全体の半数超を占めており、専門的・技術的分野の在留資格の労働者は602人にとどまる。
トクシングループは技能実習制度を活用し、これまでにベトナム人約30人が溶接や鉄工などの技術を学んだ。ただ、同制度は日本で得た知識や技術を本国で生かしてもらう国際貢献が目的で、最大5年間で帰国する仕組みとなっている。
このため、2014年からベトナム人新卒者の直接雇用に乗り出し、設計システム「CAD」を習得させるなどエンジニアとして育成。昨年には首都ハノイに現地法人を設立し、事業の拡大を図っている。
今後、ハノイ工科大など複数校との協定締結を予定。国内の中小企業向けセミナーは2月下旬に大阪、3月下旬に高松で開催する。必要な手続きを踏まえた上で5月から順次、ベトナムで合同面接会を開く。
トクシンテクノの小林有二社長は「日本の中小企業とベトナム側の双方にメリットの大きい仕組みを構築したい」と話している。
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